中小企業診断士 第1次試験の勉強方法
はじめに
中小企業診断士は働きながら取得を目指す方が多い資格ですが、7科目もあるなど、仕事との両立は結構大変です。
そこで、自身の経験を基に、効率の良い勉強方法「もとしょ メソッド」をまとめてみました。
また、通学か独学か迷っている方はコチラを参考にしてください。
合格に必要な水準
勉強方法を説明する前に、合格に必要な点数を確認します。
ボーダーが60点か70点で難易度が大きく変わりますが、第1次試験は60点となっています。
7科目全体のボリュームはかなり大きいですが、1科目あたりの難易度で見ると、正直なところそこまで難しくはありません。
異論はあるかもしれませんが、たとえば財務・会計1科目よりも、最近の日商簿記2級の方が難しいと思います。
以上を踏まえ、当記事では「さっさと60点を取ってパスする」ための勉強方法を説明します。
「合格が目的になっては本末転倒」「第2次試験にもつながる科目はしっかり勉強しなきゃ」という考えは正しいですが、第1次試験をパスしなければ始まりません。
先を見据えつつも、まずは60点を目指しましょう。
勉強方法
※私が使ったTAC出版のテキスト・問題集を基に説明しますが、他社のものを使っても構いません。
①過去問を読む
インプットを開始する前に、全体像を把握しましょう。
この段階で時間をかけても意味がないので、1科目につき10分程度で十分でしょう。
「ふーん、こんな感じの内容なのか」と、全体像をなんとなく把握することができればOKです。
これにより、勉強を進めていく上でのムダが少なくなります。
②スピードテキスト(以下スピテキ)を読む
ここにも時間はかけません。
1科目1周あたり1週間程度で、サッと読んでください。
初めて触れる科目であれば1~2周、ある程度知っている科目であれば1周で十分です。
ここでは、内容を覚える必要はありません。
過去問を読んだところから、もう一段、全体像の把握を進めるイメージです。
また、ペン・マーカーは一切使用しません。
あとで読み返したい部分があれば、付箋を貼ってください。
③スピード問題集(以下スピ問)を解く
スピテキを読み終わったら、スピ問を解きます。
目安は3週間で、2周+間違った問題のみ追加で1周します。
ここでやっと「覚える・理解する」というフェーズに入ります。
ただし、ここでも原則ペン・マーカーは使いません。
※計算問題等、頭の中だけでは解けないものは、さすがにペンを使います。覚えるための筆記はしない、ということです。
間違った問題には付箋を貼っておきましょう。
正解であっても、まぐれであれば付箋を貼ります。
解説をよく読み、なぜ間違ったのかや理解が足りない部分を明確にします。
スピ問の解説だけでは難しければ、スピテキも併用しましょう。
2周できたら、2周目でも間違った問題のみ、さらにもう1周しましょう。
とはいっても、すべての問題を覚えきれなくても大丈夫なので、3周したら次に進みましょう。
④過去問を解く
スピ問が終わったら、いよいよ過去問です。
安定して60点以上取れるようになるまで、何周もします。
時間があれば、本番での難化に備えて70点後半を目指しましょう。
1周目は50点も取れずガッカリすることもありますが、回数をこなすとどんどん上がっていくので成長を感じると思います。
最初のうちは時間を計らなくても大丈夫です。
何周かして、試験が近くなってきたら、本番の制限時間を意識して解いてみましょう。
また、最初の科目が④に入ったら、次の科目の①を始めましょう。
隙間時間に①②③、まとまった時間を取れるときに④をやることで、複数科目を並行して勉強できます。
勉強する科目の順番
勉強する順番は、得意・不得意、試験日程、二次試験との関連性等、どれを考慮してもOKです。
強いて言えば、このような感じでしょうか。
○あまり資格試験を受けたことがない人
→知識を持っている科目から勉強し、点が伸びるの体験をする
○第二次試験を見据えている人
→二次試験と関連が深い科目から勉強する
○とりあえず科目合格を目指す人
→知識を持っている科目から勉強する
翌年の試験で空きコマができないように勉強する
疑問への回答
ここまでで、おそらく下記の疑問が浮かぶと思います。
ペンやマーカーを使わないのはなぜ?
予備校・出版社がキレイにわかりやすくまとめてくれています。
重要なポイントや理解が難しい箇所をまとめ、「自分だけのノート」を作ることは、診断士第一次試験のレベルでは不要です。
「手を動かすことで覚える」というのも一理ありますが、7科目全部でそれをやるのは現実的ではありません。
期間を空け、何回も読む方が、効率よく記憶の定着につながります。
また、書き込みをしなければ使用後に売れますので、次の勉強の資金としましょう。
はじめは過去問を解かないの?
はじめに過去問を実際に解いて、自分の力を確認するのもアリですが、よくわからない状態で解いても、結局時間のムダになると思われます。
解くとすれば、大学の講義や他の資格勉強で、既に知識量・理解度が一定の水準にある場合です。
また、過去問しかやらない、という人もいます。
元々よく知っている科目であればそれでも構いませんが、基本的にはオススメしません。
過去問だけを回しても、なかなか点数が伸びずに嫌気が差すことでしょう。
オススメのテキスト
TAC出版
私も使用しましたが、使いやすく、わかりやすかったです。
問題集の解説もしっかりとしています。
早稲田出版
「無料の講義動画」があるため、こちらの方がオススメです。
早稲田出版のテキスト購入者に限らず動画は見られますが、やはり対応したテキストを使用した方がよいでしょう。
自家用車や満員電車等、テキストを読めない状況では動画の音声を聴くと捗ります。
前日にテキストを一読する→翌日に動画・音声で復習する
という流れがよいでしょう。
オススメの講座
一次試験においては独学を推奨していますが、状況によっては講座を利用してもよいでしょう。
厚労省や勤め先の給付を受けられる場合もあるので、確認を怠らないようにしましょう。
TAC
診断士といえばTACというくらいの大手です。
体験講座を受けたことがありますが、たしかに良かったですね。
安くはないですが、それ相応の結果はついてくると思います。
受講しているコースにもよりますが、自習室を使える点もありがたいところ。
単科コースでは、苦手な科目だけ受講することも可能です。
対面講座の方がオススメではありますが、DVD講座であれば、使用後はフリマ・オークションで…という手も使えますね。
クレアール
数年前からよくネットで見かけるようになりました。
申込のタイミングによりますが、TACのWeb通信講座より15万円ほど安いです。
元々完全通信制なので、スマホ等を用いた学習がしやすいようです。
通信でよいという方は、有力な選択肢となるでしょう。
まとめ
以上が「もとしょ メソッド」になります。
ちなみに、科目合格という制度もありますが、この試験は年によって難易度が大きく異なります。
免除を受ける場合でも、得意科目を含め4科目くらいは受験した方が安全な気がします。
それでは、限られた時間を有効に活用し、合格に向けて頑張りましょう。
(私も次の資格勉強を頑張ります!)